2022年HP更新について

当HPを御覧の皆さま

 

2018年に開設した当サイトですが、新しい情報を更新しておらず、項目だけのサイトもあり、申し訳ありません。
徐々に更新していく所存ですので、今後ともよろしくお願いします。
なお、お気づきのことがありましたら、何でもお知らせください。
問い合わせ

2021年11月6日TBS報道特集でネオニコの人への影響の特集番組が放映

2021年11月6日 TBS報道特集で、ネオニコの人への毒性について特集番組が放映されました。
木村ー黒田は2012年PLOS ONEの論文でネオニコに発達神経毒性の可能性があると示したことを話しました。

 

現在youtubeで動画が見られます。こちら
また番組の概要は以下に紹介されています。こちら
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/30507?display=1

 

これに対し、農薬工業会が見解を公開しましたが、内容が不正確、不適切なもので、反論を以下に公開しました。詳細は以下を御覧ください。
ネオニコチノイド系殺虫剤

アグリファクト唐木英明氏への意見

2022年1月4日更新2月8日 木村ー黒田純子、黒田洋一郎

 

2021年11月20日付けで、唐木氏らが主催するアグリファクトの情報サイトに、「黒田・木村ー黒田の科学情報が不正確」との記事が出た。
https://agrifact.jp/pesticides-are-inaccurate-cause-of-increase-in-autism-and-developmental-disorders/
この記事において、唐木氏の主張には、最新の科学情報を全く考慮に入れておらず、多くの誤りと不正確な内容がある。
以下のサイトに唐木氏の記事への意見の概略を公開するので、クリックしてください。こちら

 

なお、アグリファクトに対して、我々の意見書の概要版を掲載するよう昨年末12月26日に申し入れた。
アグリファクトからは、12月28日、”持ち込み原稿の掲載可否については、原稿の確認後、編集会議のうえ、決定いたします”(一部抜粋)との返事がきたので、2022年1月3日に意見書の概要版を送った。
2月4日、約一か月後、アグリファクトより以下の返事がきた。
”今回の持ち込み原稿が、貴サイトにて、すでに掲載されていることを確認いたしました。
つきましては、弊サイトでの掲載は二重投稿となるため、今回は掲載を見送りとさせていただきます。
(一部抜粋)
これに対して、我々はアグリファクト編集部に以下のような返事を2月8日に送った。

 

AGRI FACT編集部御中
"二重投稿のために原稿を見送る"との内容でしたが、以下の点から、不適切であると考えます。
@ 今年1月3日に貴編集部にお送りした意見書は概要版で、我々のサイトに掲載した概略、詳細版とは同じものではないので、二重投稿には当たりません。
A また昨年、12月26日に貴サイトにお送りしたリクエストに対する12月28日の貴編集部からのお返事には、以下のように記載されておりました。
"貴原稿をご送付いただくかどうかにかかわらず、貴サイトでの意見掲載は自由で、当サイトは関知いたしません。"
それで1月3日に、意見書の概要版をアグリファクト編集部にお送りして掲載の検討をお願いし、当方のHPにお送りした概要版とは異なる概略と詳細版を掲載しました。
またアグリファクトのHPを閲覧する読者と、我々のHPを閲覧する読者とは、大きく異なると考えられますことから、より科学的な正しい事実を論じることを目的と称する貴サイトに我々の意見書を掲載することは意味があると考えます。
編集会議で、再度ご検討頂きますようお願い申し上げます。
また今回の発端と経緯については、我々のHPでも随時正しい経緯を公開するように致します。
私共は農薬について、より正しい科学的な情報が発信されるよう、切に願っており、不正確で不適切な記事を放置することはできません。

緊急情報:トリチウムは、DNA構造に特別の仕組みで変異を起こすーーーガン、発達障害など次世代まで続くトリチウム内部被曝の危険性

2021年4月13日 政府が福島事故の放射性汚染水を海に流すことを決定した。この暴挙に対して、当センター代表の黒田洋一郎から以下の緊急情報を表明します。

 

トリチウムは、DNA構造に特別の仕組みで変異を起こすーーー
ガン、発達障害など次世代まで続くトリチウム内部被曝の危険性

 

 最近大変心配なのは、福島事故で大量に溜めた原発由来のトリチウム汚染水を海へ流すという動きだ。地中海に放出されたトリチウムは、食物連鎖を通じ、魚貝類などの生物に濃縮されたことが報告されている。
 分子レベルの毒性学から言っても、ヒトなど生物に対するトリチウムの毒性は放射性元素のなかでも特別である。放射線(β線など)を出すだけでなく、直接、DNAなど有機物に結合し致命的に働く。すなわちDNAの塩基間の水素結合にトリチウム水からの放射性水素が付くと、崩壊により水素がヘリウムとなり,水素結合が壊れる。結果は、水素結合で保たれていたDNAの二重螺旋構造をトリチウムが異常に壊す。そのため、ヨード、セシウム、ストロンチウムなど放射線を出す他の核種とは違い、トリチウムは直接,特別にDNAの構造破壊を起こすのだ。この変化は自然界では余り無いので,通常の放射線によるDNAの突然変異と異なり、余り修復されない。ヒトを含む生物が進化の過程でようやく得た、リペアーシステムが働かない。放射線や化学物質による通常の突然変異と違い,安全弁がないのである。
 従って、ガンや発達障害などDNA異常が一因の病気や障害のリスクは、トリチウムは通常とは比べものにならないほど大きい。他の要因も多いので,単純には言えないが、世界中に各種がん、発達障害患者が最近増えている一因だろう。
 重要なのは、一般細胞では,放射線に対抗しDNA修復機構があると教科書的に言われるが、実際には完全ではなく、また放射線による変異は修復が起こるのはたしかだが、トリチウムの水素結合破壊が修復されたとの論文はまだない。あれば大発見なので、核融合発電の安全性を調べていた20世紀末の段階で,安全な根拠として,堂々と公表されているはずである。実験はしてみたが失敗し論文にしなかった可能性もある。一昔前は「エネルギー資源問題の切り札とされていた核融合発電」が全く挫折している現在、業界が諦めた理由に、この発電で出る大量のトリチュウムのDNA毒性問題があった。いずれにしろ修復されなかった変異DNAは、福島原発事故当時「タダチニ(急性の)毒性はない」といった弁護士あがりのE官房長官談話は正しく、何年、何十年たった後に、でてくる長期/慢性毒性のヒト健康への影響が問題なのである。小児白血病など発ガンを初め、催寄性、生殖などヒトの健康に、大きく広い毒性の最終影響(エンドポイント)を持つと考えられる。
しかも,絶対にDNA修復ができないのは,ヒトの生殖に大事な精子です。医者でも知らない人が多いため誰も言いませんが、精子には細胞質が小さ過ぎて必要な酵素などDNA修復機構はありません。そのためヒト高齢出産での種々のトラブルは、卵子より変異が蓄積しやすい精子が原因であることが多く、男の高齢の方が、より問題)データがあるように発達障害児の出産が多くなります。悪いことに、自閉症の関連遺伝子は数百もあり、それらの多くの遺伝子変異原因により発達障害になる確率も高くなり、疫学調査でも「精子加齢影響の結果は自閉症と関連あり」と論文で出ています。
当人のガンばかりでなく、自閉症など発達障害などに代表される、次世代の健康被害も大問題と思います。

 

 過去にも、トリチウムの危険性は、通常の原発の稼働でもトリチウムは出,各国で海へ放出されているので、DNAの破壊という特別の毒性があることは、IA無視した、いい加減な疫学のため闇に葬られた。
 前世紀起こった、英国セラフィールドの核施設周辺で多発した小児白血病は、もちろん原因として、まず放射線の影響が疑われ、多数の疫学論文がでた。しかし広島・長崎の原爆では、明確に放射線で小児白血病が増えたデータだったが、英国のデータはそれまで知られた問題核種の出す各放射線の影響だけでは理解できない現象もあり、いまだに最終結論は出ていないとされている。2014年、英国のウェイクフォード教授(マンチェスター大・環境医学)は「トリチウムや炭素?14の白血病への影響の研究はまだ無く、その毒性影響が分っていないだけで、同じ放射性物質でも特にトリチウムなどによる小児白血病へのリスクは、現在までのセラフィールド研究など原子力発電所の白血病被害では考えに入れられていなためだ」と警告している 注)。これは前述のトリチウムの特別なDNAの破壊を無視したためだと考えれば,納得がいく。

 

注)Richard Wakeford Radiat Environ Biophys 53(2):365-79. (2014 )
The risk of leukaemia in young children from exposure to tritium and carbon-14 in the discharges of German nuclear power stations and in the fallout from atmospheric nuclear weapons testing

環境脳神経科学情報センターよりご挨拶

<ご挨拶>
当サイトでは、有害な環境化学物質が及ぼす人体影響、生態影響などについて、科学的な情報をわかりやすく提供していくことを目的としています。
詳しい主旨は以下のサイトをご覧ください。設立主旨(2018年12月より)

 

近年、子どもの発達障害やアレルギーの急増などが社会問題となっています。少子化の原因として不妊も大きな問題です。
これらの原因は、この半世紀あまりで急激に変化した環境要因が大きく関わっていることが、科学的に明らかとなっています。
環境要因は社会環境の変化、食育環境の変化など多様ですが、そのなかで1950年頃より急増した有害な人工化学物質の影響が懸念されています。
農薬は多量に使用されてから、有害性が判明し、代替農薬が作られては、また毒性が判明するというイタチごっこを繰り返しています。

 

内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)は、日本では空騒ぎという風潮になっていますが、実際には科学的にその影響が明らかとなり、国際的には規制が強まっていますが、日本では野放しです。
原発の問題も深刻です。低線量放射性物質、トリチウム汚染水の問題はまだまだ解決していませんが、現政府は根拠なく安全性を主張しています。
影響は直ちにでなくとも、発がんのリスクを上げ、それ以外にも多様な慢性影響が懸念されます。

 

これらの問題について、科学的にわかっていることをできるだけ平易なことばで解説していきたいと思っております。
まだ準備中の項目も多々ありますが、順次内容を詰めてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
なお、ご意見、間違いなどありましたら、お知らせください。また当サイトの記事や画像を用いたいときには、ご連絡頂きますようお願いします。

新型コロナウイルスについて

2021年10月29日
ダイオキシン環境ホルモン対策国民会議のニュースレターに、新型コロナワクチンの誤情報、フェイク情報について、当サイトで詳しい情報をアップすると記載しました。最近の情報についてはこちらを御覧ください。新型コロナウイルス情報以下に新しいJEPAニュースなどアップします。

 

2020年、新型コロナウイルス感染が世界中に広がり、2021年になっても、感染が収まりません。
当センターの木村ー黒田純子は、有害化学物質の脳への影響について、実験研究する以前に、ウイルス研究を約20年近くおこなってきた経緯から、新型コロナウイルスについて、調べたことをダイオキシン環境ホルモン対策国民会議のニュースレターなどに掲載してきました。

 

ここではその記事や、最新の情報をお知らせしていこうと思います。

 

2020年6月 新型コロナウイルス感染重症化は免疫の暴走? JEPAニュース123 新型コロナウイルス全般の説明と感染症の概要ダウンロード
2020年8月 新型コロナウイルスについての新情報 JEPAニュース124 感染経路、有効な予防・消毒法、後遺症などダウンロード
2020年10月 新型コロナウイルス―ワクチン問題とパンデミック後の世界の動向 JEPAニュース125ダウンロード

 

2021年3月 新型コロナウィルス対策 の「消毒」について の JEPA の見解 消毒剤乱用の危険性 ダウンロード

 

2021年2月 新型コロナワクチンは安全か JEPAニュース127 ダウンロード
2021年4月 新型コロナウイルス ワクチン、PCR検査、消毒剤の問題点 ―基礎研究者の視点から JEPAニュース128 ダウンロード
2021年6月 新型コロナウイルス ―変異株の流行、無症状感染者からの感染、ワクチンの副反応 JEPAニュース129 ダウンロード
2021年10月 新型コロナウイルス―感染の動向とワクチンのリスク JEPAニュース131 ダウンロード

「地球を脅かす化学物質」海鳴社(2018)初版の訂正と追加

 

地球を脅かす化学物質 補足と訂正のお願い 
初版では化学物質過敏症について説明が不足しておりました。大変申し訳ございません。また細菌についての記載に間違いがありましたので、訂正をお願いします。2版では以下、追加、訂正しました。

 

● 化学物質過敏症についての補足 8章130ページ
化学物質過敏症(CS)は、農薬などの有害な化学物質を大量に曝露されたり、微量でも繰り返し曝露された後に発症する疾患で、2009年厚労省で疾患登録されました。発症すると、様々なごく微量の化学物質に反応して、心身に多様な症状が起こります。現代社会は人工化学物質に溢れているので、日常生活が困難となる場合も多くみられますが、確立した治療法がなく、患者は大変苦労しています。厚労省の2012年研究調査[153]では、成人で化学物質に高感受性を示す人は、4.4%(約450万人)、準・高感受性の人は7.7%(約800万人)と報告されており、未成年者も含めると患者数はさらに膨らみます。
発症に至る詳細はまだ分かっておらず、。症状を起こす化学物質が多様でごく微量であることから、心因性とする人がいますが、それが間違いであることは科学的に立証されています[110]。人体が有害な化学物質に閾値を超えて曝露すると、心身を守るために免疫系、脳神経系などのあらゆる防御反応が働くようになり、その後は微量な化学物質によっても防御反応が働き、多様な症状が起こると考えられます。
なかでも香料の曝露で起こる多様な症状については、化学刺激に反応する嗅覚受容体やTRP(Transient receptor potential)受容体が、嗅覚神経系以外の組織に存在して多彩な機能を担っていることから説明できます。TRP受容体は、化学物質、熱、機械刺激、浸透圧など様々な刺激に反応する受容体で、種類が多く多様な機能を担っている重要な受容体です。嗅覚受容体は、血管では血圧を調節し、腸では神経伝達物質セロトニンの放出に関わると報告されており、TRP受容体は脳、内臓、筋肉など多組織に存在して多様な機能を担っています。香料は嗅覚神経のこれらの受容体を介して精神症状を起こし、血中に入った香料は全身に送られて、各臓器の受容体群に結合して、血圧の変動、消化器系の異常、筋肉痛など多様な症状を起こす可能性が考えられます。これらの受容体の発現パターンは個々に異なるので、香料に無反応な人もいれば、多様な症状に苦しむ人がいることは科学的に説明が付くことです。
化学物質過敏症については、人工化学物質が人体にどんな影響を及ぼすか考えもせず、経済性、利便性を優先して生産し続けている現代社会への重大な警鐘と考えねばなりません。
文献
110.石川哲、宮田幹夫. 化学物質過敏症:ここまできた診断・治療・予防法:かもがわ出版;1999, 169pp.
153.内山巌雄、東賢一. 化学物質に高感受性を示す人の分布の経年変化の評価
厚生労働省:シックハウス症候群の発生予防・症状軽減のための室内環境の実態調査と改善対策に関する研究 平成23年度総括・分担研究報告書より

 

● 7章99ページの細菌について間違いがありましたので、以下訂正です。
元文:地球上の生物の中でも真正細菌(注)は一番多く、その数は1030 にもなり、重量換算すると生物全体の99・9%にもなると言われていますから、その数のすごさに驚きます。

 

訂正:地球上の生物の中でも真正細菌(注)は一番多く、その数は1030 にもなり、重量換算すると約70億人の人間総重量の1000倍にもなると言われていますから、そのすごさに驚きます。

 

● 7章116ページに追加 
注)アレルギー急増の大きな要因:「衛生仮説」から「旧友仮説」へ
近代社会では、衛生状態が良くなり寄生虫感染が激減したため、攻撃対象を失った免疫系が暴走して、アレルギーが急増したとする考え方が「衛生仮説」です。この説はアレルギー増加の原因として支持されてきましたが、一方で自己免疫疾患の急増については説明が付きませんでした。
最近の研究から、多様な種類の免疫細胞のうち、病原菌、ウイルス、寄生虫それぞれへの攻撃を誘導する3種類のヘルパーT細胞と、このヘルパーT細胞が暴走するのを抑える抑制性T細胞の存在がわかってきました。ヘルパーT細胞のうち、IgEという抗体の産生を誘導するタイプが暴走するとアレルギー反応が起こり、別の特定なヘルパーT細胞が暴走すると自己免疫疾患が起こると考えられてきています。これらの暴走を抑える抑制性T細胞は、腸内免疫系に多く存在し、さらに腸内細菌がこの抑制性T細胞を増やす役割を担っていることが分かってきています。抗生剤、抗菌剤の乱用などで腸内細菌のバランスが崩れ、抑制性T細胞が正常に働かなくなったことにより、アレルギー反応が起こるという考え方が「旧友仮説」です。腸内細菌は、古くから人間の友であるのかもしれません。

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