プラスチックには内分泌攪乱物質が含まれている

環境ホルモン(内分泌攪乱物質)は日本では空騒ぎと、忘れられがちですが、ヒトや生態系に悪影響を及ぼすことが科学的に確認されてきており、特に発達期の子どもや精子、生殖器などへの悪影響が懸念されています。

 

胎児や発達期の子どもが環境ホルモンに曝露すると、発達障害、喘息、精巣形成不全症、肥満、成長してからは不妊、乳がん、前立腺がん、動脈硬化、心疾患、アルツハイマー病やパーキンソン病のリスクが上がると、WHOでは警告しています。

 

プラスチック類は、現在の日本では製品名しか表示されず、素材に何が入っているのか分かりませんが、環境省の調査によれば、日本人は複数の環境ホルモンに全員曝露していることが確認されています。

 

そのなかでも、フタル酸エステル類やビスフェノールA、ノニルフェノールなどは、科学的知見が蓄積して、EUでは既に高懸念物質として指定され、特別な許可なくしては使用、生産、輸入ができなくなっているのですが、日本では一部の使用制限があるのみで、実際はほとんど規制されていません。

 

ビスフェノールAは、日本では企業が自粛傾向にあり、その代替としてビスフェノールSなどの使用が増えていますが、ビスフェノールSにも環境ホルモン作用が確認されています。2012年の論文では、日本人の尿中に、米国、アジアのなかでもっとも高い値が検出されたと報告されました。
Liao,C et al. Environ Sci Technol, 2012, 19;46(12)

 

環境ホルモンの問題から考えても、プラスチックの過剰使用は問題です。目指すはプラスチックフリーの生活を!